下痢とは、通常よりも頻繁で水分の多い便を排出する状態をいいます。
下痢は一時的なものから慢性的なものまでさまざまで、体内の水分バランスに影響を与えることがあります。慢性的な下痢の場合、潰瘍性大腸炎・クローン病などの炎症性腸疾患が考えられます。急激な腹痛や下痢を伴う場合は、感染性腸炎、サルモネラ菌やカンピロバクターなど食中毒による腸炎の可能性もあります。便秘や便が細い場合は、大腸がんなど悪性疾患の可能性もあり、大腸カメラによる精密検査が望ましいです。

下痢・便秘
下痢・便秘
下痢とは、通常よりも頻繁で水分の多い便を排出する状態をいいます。
下痢は一時的なものから慢性的なものまでさまざまで、体内の水分バランスに影響を与えることがあります。慢性的な下痢の場合、潰瘍性大腸炎・クローン病などの炎症性腸疾患が考えられます。急激な腹痛や下痢を伴う場合は、感染性腸炎、サルモネラ菌やカンピロバクターなど食中毒による腸炎の可能性もあります。便秘や便が細い場合は、大腸がんなど悪性疾患の可能性もあり、大腸カメラによる精密検査が望ましいです。
下痢の原因はさまざまですが、主なものに以下のものが挙げられます。
感染症
ウイルス、細菌、寄生虫などの感染
食中毒
汚染された食べ物や水の摂取
食事の影響
食品アレルギーや不耐性(乳糖不耐症など)
消化器系の問題
炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)、過敏性腸症候群(IBS)、大腸がんなど
薬物反応
抗生物質や下剤の使用
その他
ストレスや不安、糖尿病や甲状腺機能低下症、尿毒症、強皮症、パーキンソン病など
水分補給
電解質飲料やORS(経口補水塩)を摂取して水分と電解質を補給する
食事管理
下痢が治まるまで脂肪分や繊維質の多い食べ物を避け、消化の良い食べ物を摂取する
薬物療法
必要に応じて止瀉薬や抗生物質が処方されることがあります
安静
十分な休養が必要なこともあります
嘔吐や下痢が続く場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。
重篤な疾患が隠れていることがあります。
便秘は「便が出ないこと」だと思っている方が多いのですが、毎日排便があっても満足できる状態でなければ便秘です。これは、日本消化器病学会関連研究会が2017年末に便秘の定義として発表した「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」に基づいています。
腸内に不必要な便がたまっている状態や、排便に過度のいきみが必要な排便困難がある場合、腸や肛門に大きな負担をかけ、さまざまな疾患の原因になります。便秘は体質や食生活などの生活習慣も大きく関係しますが、医療機関を受診して適切な検査と治療によって改善できる病気です。大腸刺激系下剤の市販薬やサプリメントを常用していると慢性化・悪化させやすいため注意が必要です。逆に、深刻な大腸疾患があって、その症状として便秘が現れていることも考えられます。
便秘症にはさまざまな原因があります。たとえば、朝食をとっていない、食事の時間が不規則である、といった生活スタイルが原因となることもあります。
主な原因として、以下のようなものが挙げられます。
食事の影響
生活習慣
身体的な要因
薬物の影響
その他
便秘は、大腸疾患などによって起こる器質性、蠕動運動などの機能に問題がある機能性に分けられます。器質性は狭窄の有無によってさらに細かく分けられます。
最も多いタイプの便秘です。生活習慣やストレス、加齢などの影響を受けて、大腸や直腸・肛門の働きが乱れる結果起こります。
弛緩性便秘
(=大腸の運動の低下)
腸管の緊張がゆるんでしまいぜん動運動が十分行われないため、大腸内に便が長くとどまり水分が過剰に吸収されて硬くなるタイプ。便秘の中でも頻度が高く、女性や高齢者に多いです。おなかが張る、残便感、食欲低下、肩こり、肌荒れ、イライラなどの症状も起こります。運動不足、水分不足、食物繊維不足、腹筋力の低下、極端なダイエットなど生活習慣の乱れが誘因になることもあります。
けいれん性便秘
(=大腸の過緊張)
副交感神経の過度の興奮によって腸管が緊張しすぎてしまい、便がうまく運ばれずに、ウサギのフンのようなコロコロとした便になるタイプ。食後に下腹部痛、残便感などの症状があることもあります。また便秘と下痢を交互にくり返すことも多いです。
精神的ストレス、環境の変化、過敏性腸症候群(IBS)などが誘因になります。
直腸性便秘
(=直腸に便が停滞)
運ばれてきた便が大腸から直腸に入ると、直腸のセンサーが働き便意を催しますが、便が直腸に達しても排便反射が起こらず(便意が無い)、直腸に便が停滞してうまく排便できなくなるタイプです。
高齢者や寝たきりの人のほか、痔や恥ずかしさなどにより排便を我慢する習慣がある人に多いです。また最近、温水洗浄便座の水を肛門の奥まで入れるために神経の感度が鈍り、便秘になる人が増えています。
腸管の物理的(器質的)なものや状態により便の通貨障害が起こる便秘症です。大腸がん、腹部手術後の腸管の癒着、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病)などの原因があります。また女性で直腸の一部が腟に入り込んでしまう直腸瘤も、よくある原因です。このタイプの便秘では、まず元の病気を治すことが基本です。
全身疾患に伴うホルモン分泌異常や神経系の異常により腸管のぜん動運動が弱くなり、便秘がちになります。全身疾患としては糖尿病、甲状腺疾患、脳血管障害、パーキンソン病、自律神経疾患、膠原病などがあります。
各種の薬による副作用でおこる便秘症です。抗うつ薬、抗コリン薬(ぜん息や前立腺肥大、パーキンソン病などの薬)、咳止めなどは大腸のぜん動運動を抑えるので、副作用で便秘になることがあります。
便秘の治療には、生活習慣の改善や薬物療法があります。
食事管理
生活習慣の改善
薬物療法
便秘が長期間続く場合や、血便、激しい腹痛、体重減少、便が細くなるなどの症状がある場合は、大腸がんなどの病気が隠れている場合があるため早めに医師の診察が必要です。
便秘が頻繁に起こる場合や、生活の質に影響を与える場合は、適切な治療を受けることが大切です。
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