大腸がんは大腸に発生するがんです。大腸は結腸(盲腸・上行結腸・横行結腸・下行結腸・S状結腸)と直腸に分かれており、日本人の大腸がんの多くはS状結腸と直腸に発生します。日本では1年間に約15万人が大腸がんと診断されており、男女ともによく見られるがんの1つです。大腸がんには正常な粘膜から直接がんが発生するものと、ポリープから徐々にがん化するものがあります。進行すると、がんは腸壁の深い層へ浸潤し、最終的には大腸から閉塞を引き起こしたり周囲の臓器に広がったりします。

大腸がん
大腸がん
大腸がんは大腸に発生するがんです。大腸は結腸(盲腸・上行結腸・横行結腸・下行結腸・S状結腸)と直腸に分かれており、日本人の大腸がんの多くはS状結腸と直腸に発生します。日本では1年間に約15万人が大腸がんと診断されており、男女ともによく見られるがんの1つです。大腸がんには正常な粘膜から直接がんが発生するものと、ポリープから徐々にがん化するものがあります。進行すると、がんは腸壁の深い層へ浸潤し、最終的には大腸から閉塞を引き起こしたり周囲の臓器に広がったりします。
大腸がんは生活習慣が発生に深く関わると考えられています。とくに、運動習慣の減少、偏った食生活、アルコールの多飲、喫煙は大腸がんの発症リスクを高めるとされています。また、肥満なども大腸がんの発生と関連することが指摘されています。大腸がんの死亡者数はこの20年で1.5倍に増え、罹患率が欧米とほぼ同等になってきており、その背景には食の欧米化などが進んだことも要因と考えられています。
早期大腸がんはほとんど自覚症状がありません。早期がんは症状がなく、大腸カメラ検査(内視鏡検査)で切除すれば根治可能です。がんによって大腸が変形すると、何らかの症状が現れます。大腸が狭くなると、便が出にくくなり、下痢や便秘などの便通異常を繰り返します。がん表面から出血すると、下血や貧血症状が見られることもあります。さらに進行し大腸が閉塞してしまうと腸閉塞を引き起こし、便やガスが出なくなり、腹痛や吐き気・嘔吐などの症状が現れることもあります。
内視鏡検査(大腸カメラ)
大腸の内部を直接観察できるため、早期の異常を発見しやすいです。異常が見つかった場合、同時に組織を採取して病理検査を行うことも可能です。
便潜血検査
便潜血とは、便に血が混ざっていないか調べる検査です。簡易的に行えることから、健康診断や人間ドックでも利用されています。
便潜血陽性の方に関しては、そのうち1~2%の方に大腸がんが見つかるとされていますので、大腸カメラで精密検査を受ける必要があります。
注腸エックス線検査
大腸に造影剤を入れてエックス線撮影を行い、腫瘍の形や大きさ位置などを診断します。大腸の全体的な像が得られます。異常を指摘された場合は、大腸カメラで精密検査することが必要です。
大腸CT検査
炭酸ガスを注入して大腸を膨張させ、CTを撮影します。それをもとに大腸の三次元画像を作成し、画像診断を行います。大腸カメラと比較して患者様にとって負担が少ないという利点がありますが、10mm未満の小さい病変や平坦型の腫瘍の発見率に関しては大腸カメラに劣ることや、大腸CTで異常を指摘された場合は、再度大腸カメラを受けなければならないというデメリットがあります。
血液検査
特定の腫瘍マーカーを調べたり、出血による貧血がないかなどを調べます。ただし、血液検査のみではがんの診断はできませんので、上記の画像の検査が必要となります。
大腸がんが発見された場合、周囲のリンパ節や他臓器への転移がないかを調べるために、腹部超音波検査やCT検査などが行われます。転移の可能性のない病変においては、内視鏡的切除術(EMR、ESD)が行われます。
転移リスクのある症例もしくは転移が認められる例については、外科切除または化学療法が選択されます。いずれの治療法においても、入院治療が必要となるため、発見された場合には速やかに提携している経験豊富な専門の医療機関へご紹介させていただきます。
院長は長年、早期大腸がんの内視鏡治療や進行がんに対する化学療法などを行ってきた経験がありますので、ご不明な点などあればお気軽にご相談ください。
大腸がんは早期で発見できれば、5年生存率はほぼ100%とされています。ただし、早期では自覚症状がほとんどないため、発症者が増え始める40歳以上になると定期的な検査が大切です。1年に1度は大腸がん検診を受けましょう。
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