肝機能障害・慢性肝炎

肝臓病のセルフチェック

このような症状やお悩みがある方はご相談ください

• 健康診断などで肝機能の異常を指摘されたことがある
• 健康診断や医療機関で血液検査などをしばらく受けていない
• 家族に肝炎や肝臓病の人がいる
• C型肝炎、B型肝炎の検査を受けたことがない
• 肥満ぎみ
• お酒をたくさん飲む
• 白目の部分が黄色い気がする
• 体がかゆい
• 体がだるい、疲れやすい
• 食欲がない、体重が減ってきた
• 足がむくんでいる
• お腹が張る
• 右のあばら骨のあたりに痛みを感じる
• 過去に輸血を受けたことがある
• 鍼（はり）治療を受けたことがある
• 刺青をいれている
• ボディピアスをしている

肝臓病の初期には症状がないことがめずらしくありません。早期発見、早期治療のために肝臓病のリスクがないかをチェックして、当てはまる方は受診をお勧めします。肝臓に関するお悩みなど、気軽にご相談ください。

肝炎(急性/慢性)・肝硬変

肝炎とは肝臓の炎症のことで、肝炎ウイルスの感染、アルコールの過剰摂取、肥満など、様々な原因で起こります。急性肝炎と慢性肝炎に分けられており、急性肝炎は6カ月以内に落ち着くものをいい、6カ月以上の期間持続する肝炎を慢性肝炎といいます。慢性肝炎で軽い肝炎が長期に続く場合、症状はあまり認めません。しかし10年、20年あるいはそれ以上続き、肝臓に線維（コラーゲンなど）が蓄積します。この状態を肝臓の線維化といい、線維化が進行した状態が肝硬変という病気です。

血液検査ではアルブミンが低下したり、血小板数の減少がみられたりします。肝硬変では様々な症状がみられ、とくに肝臓の働きを十分に保てなくなった非代償性肝硬変では黄疸、肝性脳症、腹水、浮腫などがみられます。また、食道静脈瘤をはじめとする色々な合併症を伴いやすくなります。また、肝がんの発生リスクも増加します。

慢性肝炎・肝硬変の原因となる主な疾患

脂肪肝

脂肪が肝臓に多く蓄積した状態となるのが脂肪肝です。過食や運動不足、飲酒などが原因としてよく知られています。健康診断などで指摘されることも多い病気ですが、脂肪肝だけで症状が現れることはほとんどありません。過剰なアルコール摂取が原因で肝臓に脂肪が蓄積する場合は、「アルコール性脂肪肝」と呼ばれます。最も重要な治療法は、アルコールの摂取を中止または大幅に減少させることです。

飲酒しない人の脂肪肝を「代謝異常関連脂肪性肝疾患(MASLD)」と呼びます。（以前は、「非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)」と呼ばれていました）さらに、この中で、肝炎が持続し、徐々に線維化が進行する病態を「代謝異常関連脂肪肝炎(MASH)」と呼びます。（以前は、「非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)」と呼ばれていた状態です）MASHでは、肝炎を改善しない限り、肝硬変や肝がんに進行していくとされています。
脂肪肝自体を治療する特効薬はなく、肥満や生活習慣病との関連性が強いことから、生活習慣を改善することが有効です。

ウイルス性肝炎

自己免疫性肝炎

自己免疫性肝炎は、自らの肝細胞を体内の免疫が破壊してしまう自己免疫疾患です。中年以降の女性に多くみられます。免疫の働きを抑えるステロイドによる治療が有効である場合が多いとされています。

原発性胆汁性胆管炎

以前は「原発性胆汁性肝硬変」と呼ばれていた疾患です。
中年の女性に発生することが多い病気ですが男性や若年層でも発症することがあります。肝臓の中で胆管が慢性的に炎症を起こし、胆汁の流れがうっ滞して、それに伴い肝細胞の破壊と線維化が徐々に進行します。かゆみなどの症状が現れます。何らかの免疫の異常が関与していると考えられています。